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映画よりも、おもしろい人生を歩んだ勝新太郎

2015年10月18日 category : スタッフおすすめ本 

偶然完全 勝新太郎伝

田崎 健太(著/文 他)

こんな痛快な男はもうどこにもいない。
「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりは誰ができるんだ?」
「今後はパンツをはかないようにする」
「俺としゃぶしゃぶか? 一つ“シャブ”が多いんじゃないか?」
脚本を破壊し、役柄に自らを同化させることを是とした名優、勝新太郎。
彼の最後の「弟子」が描く、「最後の役者」勝新の真実とは。
――みんな勝新が大好きだった!

 

勝新太郎と言えば、なんといっても座頭市だ。

最近は時代劇、特にチャンバラ系を見る機会が減ったように感ずる。水戸黄門が放送を終了したのが大きいのではないかと思う。

座頭市の原作は、子母澤寛が1948年に雑誌「小説と読物」へ連載した掌編連作『ふところ手帖』の1篇『座頭市物語』だ。
しかしながら、現在巷間に伝えられる座頭市の人となりは、大部分が勝新太郎主演で座頭市の物語が製作された時に作られたものだという。また、原作の長ドスを仕込み杖としたのも勝である。

盲目というハンデキャップを背負った謎の侠客「市(いち)」の活躍を描いた作品だが、盲目の剣の達人という設定は今から考えても斬新だと思う。

勝新太郎の主演での劇場版最大のヒット作は1970年の『座頭市と用心棒』。それまで大スターとの共演はなかった座頭市シリーズだが、この作品には三船敏郎が出演している。
黒澤明の『用心棒』『椿三十郎』に出演した三船演じる用心棒と、勝の座頭市とが、敵味方に対峙して出演している。当初、三船は友情出演程度のオファーであったと思っており、本当に対決するとは思わず、タイトルに「用心棒」と入っていた事に大変驚いたという。是非見たい一篇だ。
ちなみに、黒沢監督の『影武者』にオファーされた勝新太郎だが、黒沢と折り合いが悪くて降板している。

1989年には勝新太郎自らの監督による『座頭市』が公開された。しかし、立ち回りの撮影中に勝の長男である鴈龍太郎(奥村雄大)の真剣が出演者の頸部に刺さり、頸動脈切断で死亡する事故が起きたり、公開翌年には勝新太郎がコカイン所持で逮捕されるなどして、映画(および勝)の周辺にはトラブルが絶えなかった。
『座頭市2』の企画があったようだが、勝の逮捕が影響してか、頓挫したようであり、本作が勝新太郎による最後の製作映画となった。

2003年に製作された『座頭市』は北野武作品で初の時代劇であり、勝新太郎の代表作である時代劇『座頭市シリーズ』を題材にしたが、「盲目でありながら居合抜きの達人」という座頭を主役にしている設定以外、子母澤寛が執筆した原作や前述のシリーズとは全く関連が無いオリジナルである。
日本国内の観客動員数は200万人で、北野映画最大のヒット作となり、本作は日本国外でも上映され、複数の賞を受賞している。

座頭市を知っているという年代はどんどん古くなっているのではあるまいか。
北野武作品の中の座頭市、それが唯一の救いのような気がする。

勝新太郎という人物そのものも大変ユニークだったらしい、ニュースで世間を騒がせたこともある。その魅力が詰まった本と思われる。


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