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教団X/中村文則

教団X
中村 文則

買取価格　395円

 

「又吉直樹さんマジオシ！！西加奈子さんイチオシ！！」の帯で手にとってしまった本作。

本の厚さに圧倒されそうになりましたが、又吉先生の「どんなに時間がかかっても、ぜひ読んでください…」の文言に背中を押されながら読み始めました。結果からいうと、なんら中断することなく一気読み。

善悪が最後までわからない、というか、何が悪なのかがわからなくなるのでした。

途中に何度か登場する中村元氏の引用が気持ちの平穏をもたらしてくれます、手元に置いてある何冊かを読み返すきっかけになりました。（「ブッダのことば」等々）

 

教団Xと呼ばれる団体と人が集ってくるもう一つの団体とその2つに翻弄される4人の男女がメインで話は進んでいきます。

二つの団体の長のような立場の人が語る言葉が仏教だけではなく戦争や靖国問題、宇宙、脳科学までおよび、（筋書きも面白いのですが）この二人の語り部分は圧巻です。

 

「世界の中にある何かは、自分に対して優しい。…中略…夢は見られる。生きていたら、その中で、どんな小さな事でも肯定できるものがある。」本文より

救われる言葉ではありますが、肯定出来る事や物は自分自身で見つける努力をしなければ…それは他人任せにしてはいけない部分、他にゆだねてしまうとラクではあるけれど場合によっては洗脳などという事にもなりかねません。

生きていくという事はすべてが選択の連続、仮にどこかで間違ったとしても、また途中から選び直す事もできます。

元には戻らない事もありますが、修整をかける事は可能だと思った次第。

 

確かにどんなに時間がかかっても読んで欲しい1冊！！