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「狂うひと 死の棘の妻・島尾ミホ」本を買い取りました。

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
梯 久美子
4104774022

買取価格 1,004円

 

私小説の傑作とも云われている島尾敏雄の「死の棘」

モデルとなった島尾敏雄の妻・ミホに関する評伝です。

 

実は「死の棘」を読んだ事が無く、これを先に読んでしまいました。

途中で止めようと思う位、ややこしくて重たい内容なのですが、結局一気読みをしてしまいました。

 

太平洋戦争末期の昭和19年に開発された震洋艇、250Kgの炸薬を積んで標的にぶつかっていくという、ベニヤ製のモーターボート。

この特攻艇の隊長であったのが、島尾敏雄。配属された加計呂麻島でのちの妻となるミホと出会います。

まさに命がけの恋愛をした二人でしたが、突然の終戦宣言によって戦争は終わります。

やがて二人は結婚し、子供ももうけますが、ある日夫の日記を見てしまう事からこの夫婦には地獄とも言える日々が始まるのでした。贖罪のために文を書く夫と、発作のように不義を責め続ける妻。精神病院への入退院や献身的な夫の介護、共狂いとも言えるような奇怪な夫婦喧嘩。

というような内容が「死の棘」のざっとしたあらすじ。どうです?重いでしょう?

 

本作は島尾夫妻それぞれの日記や手紙、草稿、ノート、メモなど、膨大な未公開資料によって妻・ミホの生涯を辿る、渾身の決定版評伝。(本書帯より)

 

今の時代ならSNSやらメールやら瞬発力のある事もできますが、加計呂麻島時代の二人のやりとりの手紙がすごい…

万葉集やら古事記やらの引用の多いものから、特攻出撃間近の取り乱したものまで…

 

恋愛小説と泥沼の私小説とドキュメンタリーの3冊を同時に読んでしまったような読後感です。

二人を苦しめた日記の17文字とはなんだったのだろう?最後まで明かされない謎となりました。

 

 

 

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