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「泣きかたをわすれていた」本を買い取りました。

泣きかたをわすれていた
落合恵子
4309026710

買取価格 454円

 

冬子72歳。7年にわたる認知症の母の介護。そして愛する人たちを見送った先に広がる、大いなる解放とは…

21年ぶりとなる、待望の最新小説。(本書帯より)

「介護」という文字の持つ重さで、少し読む前に気持ちが引いたのですが、いずれ避けては通れない行く道でもあると思って手に取りました。主人公の冬子は非嫡出子として生まれたため母一人、子一人の親子関係でした。

「あなたの人生だから、あなたが好きなように生きていいのよ。」と子供の頃から言い続けてきた母、認知症になり冬子を「おかあさん」と呼ぶようになった母。言葉を忘れ感情も少なくなって行く母。仕事と自宅での介護の両立。かたや母親を施設に入所させた友人。

どれが正解というものがないのが介護ではないでしょうか?介護される人を全て優先させれば、最近よく耳にする「介護離職」というものにもつながり、「離職」からの「貧困」という可能性も危惧されます。生まれてくる時と死ぬ時を人は選べないという事を痛感しながら、そして「介護」という言葉の裏に潜む先の見えない絶望感の見え隠れを感じながら読み終えました。

 

ラジオの深夜放送絶頂期の頃にレモンちゃんの愛称で親しまれた元アナウンサー落合恵子さん。絵本専門店の経営者としてのキャリアの方がすっかり長くなりました。ご自身も50代に介護の経験をされています。

何度か登場する「いつかは死ねると思うから、生きていける」という言葉。終わりがあると思えばこそ頑張れるのですよね。読後様々な事を考えるきっかけになった一冊です。

 

 

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