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「日本人の恋びと」本を買い取りました。

日本人の恋びと
イサベル・アジェンデ 木村裕美
4309207375

買取価格 999円

 

桜があっという間に咲いて、気がつけば緑の葉っぱがツヤツヤとしてきました。まさに「三日見ぬ間の桜」だった今年の春でした。桜に似た白い花のカバーの絵はゴッホの「花咲くアーモンドの木の枝」。水色のカバーの合わせたスピンの色も美しい本書は第二次世界大戦を挟んでの長く切ない愛の物語。

作者のアジェンデいわく、愛は世の中を動かすモチベーション。この言葉の意味は読後にしっくりきます。

 

介護施設に勤めるモルドバ出身のイリーナは23歳、15歳から都市から都市へと職を変えながら転々としてきた女性。アルマはその施設に入所している80代のアルマ・ベラルスコはポーランド生まれのユダヤ系アメリカ人女性。

毎週届くクチナシの花、黄色い封筒に入った手紙、お忍びの小旅行…アルマの謎めいた日常の背後にいったい何があるのか…

この二人が出会った事によってアルマは過去から今もなお続く家族の歴史と日本人との出会いと別れを語り出します。語り手が何人か登場する本書ですが、す〜と染み渡る文章と構成で一気に読みたいという衝動にかられながらもじっくり味わいたいという気持ちのせめぎ合い…読んでよかった!と思える今年のベスト1でした。

何か年齢を重ねた人達の恋愛とかというと、ちょっと嫌悪感があるとか思う人もいるかもしれませんが、これは以前日本でブームになった◯◯園みたいなものとは全然違います。ドロドロしたところは一切無し!

移民2世であるイチメイは「愛と友情は老いることがない」と語ります。

長い年月を経た恋愛というのはもはや友情に近いものに変化するのかどうかは本書を手にとって確認してみてください。

 

 

 

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