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 1京分の1秒の世界を科学する

2015年08月06日 category : スタッフおすすめ本 

アト秒科学
1京分の1秒スケールの超高速現象を光で観測・制御する

大森 賢治  石井 順久  石川 顕一  板谷 治郎  香月 浩之  森下 亨  渡部 俊太郎

(化学同人)

原子・分子の中を1京分の1秒スケールで動き回る電子をレーザー光で直接観測できるようになった.化学反応の積極制御や超高速情報処理も期待できる.このような光-原子(分子)結合系の動的挙動に,第一線の研究者が,理論と実験両面からアプローチ,わかりやすく解説する.

 

アト(atto, 記号:a)は国際単位系(SI)における接頭辞の一つで、基礎となる単位の10-18倍(=0.000 000 000 000 000 001倍、百京分の一)の量であることを示す。アットとも言う。日本の単位では一刹那。もの凄くわずかな量だ。

我々の周りには様々な分子が存在している。それらの分子同士が化学結合して物質として存在している。
例えば、大気中の窒素分子や酸素分子、そして、二酸化炭素分子などが代表例だ。
そしてこれらの分子がばらばらになったり、またくっついたりする化学反応がいたるところで起きている。動植物が生きていることだってそれに他ならない。

このような分子は、ばねで繋がっているように並んで、個々に振動している、そのばねが切れて、ばらばらになったり、再び、ばねが元に戻ってくっついたりする。そんな化学反応を、もし、撮影することができるとしたら、そのコマ撮りのシャッタースピードはどれほどにすれば良いだろうか。

分子の振動の周期はおよそ1000フェムト秒から100 フェムト秒程度であるらしい。分子が振動している様子を追跡するためには、100フェムト秒か、それよりも短い時間間隔のシャッタースピードが必要と言う事だ。1秒の10-15倍の時間を1フェムト秒という。

このような、シャッタースピードを実現する光として、1フェムト秒を下回るパルス光を発生させることができるようになった。その後の技術の発達でさらに短いパルス光を作り出すことが出来るようになったという。

1アト秒とは、1フェムト秒の 1000分の1秒。今では100アト秒程度のパルス幅をもつ極限的に短いパルス光の生成も報告されているとのことだが、これ以上の短い光パルスの生成は原理的に難しいと考えられているとのこと。
この超短パルスレーザー光を生成する技術と、それを使って分子の動きを撮影したり解析することを「アト秒科学」と呼ぶらしい。

難しそうな内容の本だけど、興味は捨てがたい。

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